Dunkwell
日本語のカタカナ文字をタギングしたテキストペインティングが2018年に、ニューヨーク・ブルックリンにて発表。Tokyo特有の景観の中で光るデジタルサイネージや看板、広告の中で多用されるカタカナ文字をストリート表現へ転用し注目を浴びる。Dunkwellはフルデジタルの描画を積極的に探求し、当時のストリートカルチャーにおけるスプレー缶よりも現代においてはタブレットこそがより日常的に用いられるものとし、その一般的に普及した液晶スクリーンを制作手法の中心へ据え置く試みは自身の創作をより身近で日常的な経験と結びつけて鑑賞できる余地を作り出す。
Biography
東京生まれDunkwell
Artist
東京生まれ
「ペンキを塗りつける」という行為を意味する英語名 「dunk well」 は80年代NYのストリートカルチャーへの敬愛に由来する。日本語のカタカナ文字をタギングしたテキストペインティングが2018年に、ニューヨーク・ブルックリンにて発表される。スクランブル交差点や繁華街などTokyoという都市特有の景観で光るデジタルサイネージや看板、広告の中で多用されるカタカナ文字をストリート表現へ転用し注目を浴びる。Dunkwellによる壁画はTokyo各所にも点在する。
Dunkwellはフルデジタルの描画を積極的に探求する。当時のストリートカルチャーにおけるスプレー缶よりも、現代においてはタブレットこそがより日常的に用いられるものであり、その一般的に普及した液晶スクリーンを制作手法の中心へ据え置く試みは、自身の創作をより身近で日常的な経験と結びつけて鑑賞できる余地を作り出す。その姿勢は、アーティストの創作が特権的に見えるような構造への抵抗でもあり、アーティスト自身が自由の希求した結果でもある。
街の中で壁に描かれたグラフィティーがやがては消えてゆくように、デバイス自体も技術革新において絶え間なく進化してゆく。グラフィティーの儚さを予感をさせるブラシマーク、重力に影響されない平面の上で生み出される勢いのあるストローク、存在しないにも拘らず知覚可能なテクスチャー。Dunkwellの作品は、スケッチブックがタブレットに代替される2020年代の新たなイメージとして未来の私たちに記憶されていくのだろう。
Dunkwell
Artist, born in Tokyo
The artist’s name "dunk well" means "paint over” in English, and refers to the 1980s New York street culture of graffiti, murals, and tagging. A text painting of his tagged with Japanese katakana characters appeared in Brooklyn, New York in 2018. His mural paintings can also be spotted throughout Tokyo.
Dunkwell actively explores the use of digital expression. In using portable tables, his drawings can be considered more accessible to people today than the 1980’s spray can. In placing the ubiquitous LCD monitor at the centre of his activity, Dunkwell attempts to encourage more connectivity between his work and 21st century viewers.
In a similar way to the erosion of street graffiti over time, digital devices are also prey to the forces of time; of failure, and expiration. Indeed, although the digital device promises a timelessness, it is forever responding to upgrades and technological innovation.
In Dunkwell’s digital work, the left brush marks emerging on a monitor suggest the ephemeral nature of graffiti.
He creates these strokes on a gravity-independent surface and although the texture in his work is immaterial it remains perceptible. Dunkwell's work evokes a new visual image of the 2020s, when the sketchbook is being replaced by the tablet.