For yesterday | Mikio Hasui Solo Exhibition

 




Miko Hasui  Solo Exhibition     For yesterday 

 要するに言語化できない何かに対して、写真という行為を行っていた。果たして言語化できない何かとはなんなのだろうか。

それは、一言で言えば、網膜と意識の間にあるもの。

その間の距離ではないだろうかと思う。 網膜に写るものに意識が反応した時に写真という行為は始まる。 感情というものは、その距離に比例するのかもしれない。

<中略>

今回の写真にも、言葉をつけることは難しいが、改めてこの過去の一瞬を焼いてみると、その時の網膜と意識の距離が蘇ってくる。様々な感情になって。

写真はすべてが過去である。時間として過去ではなく、意識として過去である。

その時に網膜が見たことから、意識はどのくらいの距離を保っているのだろうか。」

 

ー 蓮井幹生 ( 2020年 冊子 for yesterday より抜粋)

 

◆展覧会概要
会場:WHYNOT, TOKYO

住所:〒153-0053 東京都目黒区五本木2-13-2 廣井ハウス1F

展覧会会期:20201210日~1227

営業時間:13:00-19:00

開廊日:木ー日曜日、祝日 

*上記以外の日程は予約制でのご案内とさせて頂きます。

来廊のご予約またはお問い合わせは info@whynot.tokyo までお願い致します。

 

オープニングオンライントーク

蓮井幹生(写真家) x LILY SHU(アーティスト)

進行:高屋永遠(アーティスト・WHYNOT主宰)

開催日時:20201210日 20:00-

トークURL: https://youtu.be/_g5-7dfzJgg

 

 

弊廊では、20201210日[木]から1227日[日]までの期間、写真家 蓮井幹生の個展「For yesterday」を開催致します。

本展は、「網膜に移るものに意識が反応した時に写真という行為は始まる」と語る蓮井が、「意識として過去」の中に仕舞われた自身の人生を呼び起こし、新たに現像した全作未公開の作品展示となります。展覧会は各作品に作家が寄せたテキストと合わせてご鑑賞を頂きます。作家の自己開示によって、時代を超え再び現出した「網膜が像を捉えた瞬間」。現像ののち、目の前に提示された人生の確かなひとときを目撃する鑑賞の経験は、私達を「大切なものとは何か」という普遍的な問いかけへ誘うものとなることでしょう。

儚く、壊れやすい人生の中で、網膜に捉えられては意識の奥底に残り続ける忘れ得ぬ光景。「時間は、本当は過去に流れているのだ。」という作家の独白は、人がそこに生きることの儚さや弱さをより一層印象付けます。『For yesterday』において、蓮井がライフワークとして取り組んできた水平線に向けられた眼差しは水面を見下ろし、抽象的な光と色彩は分断される世界の光と闇として写し出されます。

水面の揺らぎ、不安定な構図で撮られた街角で蹲る老婆、親子が共に過ごした病床での静かな午後。「そこに存在した」という確からしさは願いとして作品に結実して行きます。手放した光景、あるいは手放さざるを得なかった光景に新たな生を与える『For yesterday』。

作家自身の意識が過去から呼び起こされて見るものの心に静かに浸み渡る時、私達のそれぞれが持つ私的な記憶も再び思い起こされるでしょう。過去を未来として受け入れることで始まる「生かされていること」の再認識は、私たちに明日を見つめる目を与えてくれるのかも知れません。

文・高屋永遠(WHYNOT主宰)

 

蓮井幹生 | Mikio Hasui

写真家 1955 年生まれ

 

明治学院高校、同大学社会学部社会学科に入学。アートディレクター守谷猛氏に師事しデザインを学ぶ。1984 年から独学で写真を始め、1988 年の個展を機に写真家への転向。新潮社の雑誌「03」を始めとするカルチャー系エディトリアルシーンで著名人のポートレイト作品を発表し注目を集める。1990年代から撮影が続く『PEACE LAND』は作家の世界観の中核を成す作品群であり、作品集の出版を通して継続的な発表が行われ2009 年にフランス国立図書館へ収蔵される。現在は、長野を拠点に制作を行う。

 

【主な活動歴】

2018 企画展「Two Mountains Photography Project 3.0ILHAM クアラルンプール、マレーシア

2017 企画展「PHOTOGRAPHY NOWTHE BRICK LANE GALLERY ロンドン、イギリス

2013 IMAGINE IN THE LIGHTCOMME des GARCONS BLACK SHOP ベルリン、ドイツ

2008 PEACE LAND 2002-2007spiral 東京、日本2002 PEACE LAND 1995-2001spiral 東京、日本

 

【コレクション】

2015  東京工芸大学 写大ギャラリー「GELATIN SILVER SESSION 200720082010  フランス国立図書館「詠む写真」2009   フランス国立図書館「PEACE LAND

 

【作家ウェブサイト】

https://mikiohasui.com/

 

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リリー・シュウ | LILY SHU

1988年中国黒龍江省ハルビン市生まれ

【略歴】

埼玉大学教養学部美学専攻卒業

ケント大学美術史専攻修士号取得

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修士号取得

 

【受賞歴】

8 エモンフォトアワード グランプリ(2019

18 写真1_WALL ファイナルリスト(2018

33 東川町国際写真祭 赤レンガ公開ポートフォリオ・オーディション グランプリ(2017

7 TOKYO FRONTLINE Photo Award 佐々木敦賞(2017

 

【コレクション】

モデナ写真財団(イタリア)

東川町国際写真財団

【作家ウェブサイト】

https://www.lilyshu.com/