奥能登サポート2026
プロジェクト概要
WHYNOT.TOKYOは、能登半島地震以降、珠洲焼作家や工房をはじめとする奥能登の作り手との対話を重ね、制作と暮らしの再建を支える活動を続けています。助成申請や再建計画への伴走、作品の発表・販売機会の創出、情報発信を通じて、それぞれの状況や課題に応じた継続的な支援に取り組んでいます。
2026年は、珠洲や輪島など、土地の素材と長い時間のなかで培われてきた工芸を、現代美術や異なる地域の人々とつなぐ展覧会、トークプログラム、作品販売を実施します。作り手の現在を広く伝えるとともに、作品との出会いや購入、協賛、寄付が次の制作へとつながる機会をつくります。
その中心的な取り組みとして、世界遺産・仁和寺において、高屋永遠個展「高みへと降下する」と、奥能登の伝統工芸と現代美術によるグループ展「もつれと循環」を開催します。会場では、奥能登の工芸と、現代美術の作品を展示・販売し、土地、素材、技術、人の営みが相互に関わりながら受け継がれていく文化のあり方を紹介します。
本プロジェクトが目指すのは、被災によって失われた設備を復旧することだけではありません。震災以前から地域に蓄積されてきた技術、知恵、記憶、人と人とのつながりを、生きた文化として次世代へ手渡すことができるよう担い手が作り続けるための環境を回復していくことです。
WHYNOT.TOKYOは、作り手、鑑賞者、購入者、支援者、地域、文化機関をつなぎ、作品の発表が次の制作へと還る「創造の循環」を育てていきます。
協賛金・寄付金は作品販売収入と区分して管理し、配分方針と使途、実施後の活用実績を今後、このウェブサイトで公開します。
本事業の一部は、公益財団法人小笠原敏晶記念財団「令和6年能登半島地震 第4次緊急助成(現代美術・伝統工芸分野)」の助成を受けて実施します。
参加作家について
漆芸
山元健司

石川県輪島市を拠点に活動する北陸の名匠と評される漆芸作家。輪島塗の制作・販売を約90年手がける老舗「山元清巧堂」の塗師屋に生まれる。「日展」にて2011年と2014年の2度にわたり特選を受賞。螺鈿(らでん)や金銀の研ぎ出し技法を駆使した、繊細かつ美しく絡み合うモダンな表現の作品で高い評価を得ている。
— 作品への想い —
本作は、私が日展で初めて審査員を務めた折に制作した作品です。
タイトルの「elements」は、「構成要素」を意味します。豹の斑紋と、この世界を形づくる素粒子のイメージを重ね合わせ、作品として構成しました。
私事ではありますが、震災後から今日までの間に、肋骨と足のくるぶしを骨折し、それ以来、身体のバランスに不自由を感じながら制作を続けています。それでも、これからも可能な限り制作に向き合っていきたいと思っております。
能登の街もまた、震災によってかつての活気を大きく失いました。
復興にはまだ長い時間を要すると思いますが、これからの能登を担う次の世代の方々が、新たな歩みをつないでいってくれることを願っています。
大坪直哉 / 石村有弓 / つかだ漆芸工房 / 小野美汐 / 中川あやこ / 盛也茜
珠洲焼
中山達磨

1952年生まれ、石川県小松市出身の陶芸家。九谷工芸高等訓練校卒業後の20代半ば、無釉の黒い焼き物「珠洲焼」に心を奪われ1978年に珠洲市へ移住。途絶えていた古陶の復興を牽引した先駆者。
1981年に初の個人窯「飯塚窯」を開窯。高温の炭化焼成による灰黒色の美しさが特徴。石川県伝統工芸士、県伝統産業優秀技術者表彰など評価を重ねる。金沢駅コンコースや珠洲焼資料館の陶壁も手がけ、珠洲焼の現在を切り拓いた。人間の深い部分を掴み出すような豪快さと繊細さを併せ持ち、珠洲古窯を思わせる大壺、野に咲く花を優しく抱く花器を得意とする。
— 作品への想い —
「どこにおってもやる」
能登半島地震は、40年以上暮らした珠洲の窯も作品も奪い去った。新天地・金沢で再び窯を築き、向き合うのはやはり「珠洲の土」だ。収縮率の高い、作りづらい土だが、だからこそ、人間の泥臭い生命力をさらけ出すような黒い輝きを放つ。住み慣れた土地を離れたからこそ、奥能登の風土が育んだ土の尊さが、いっそう愛おしく胸に迫る。どこに身を置こうとも、根底にあるのは珠洲そのもの。離れたこの場所から、珠洲の土の持つ無限の可能性を拓き続ける。
清水武徳 / 宮脇まゆみ / 木澤孝則 / 鍛治ちえみ / 芝雪 / 林春香
現代美術
高屋永遠


1992年東京都生まれ。2015年ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ美術学科卒業。光学現象と素材の探究を軸に、偏光パールや鉱物、CO₂由来素材、能登で採取した土や珠洲焼の灰などを用い、見る角度や距離で色彩と奥行きが変容する絵画を展開する。2019年にWHYNOT.TOKYOを始動し、2023年以降は珠洲焼の復興と継承を支援。2022年より資生堂みらい開発研究所と共同研究を実施。2026年、明治書院の高校国語教科書の装画を担当した。
— 作品への想い —
能登半島地震以降、WHYNOT.TOKYOによる珠洲焼作家への支援を通じて奥能登に通い、現地の作り手や工房との対話を重ねてきました。本作は、能登の土や砂、珠洲焼の灰、鉱物など土地の時間を含む素材と、偏光パールや金属など光を受けとめる物質を重ねたものです。白書院に差し込む自然光と、鑑賞者の歩みに応じて表情を変え、像が立ち上がり、ほどけ、また別の像へと移っていきます。足元の土地や物質、隣人の生へと深く目を向け、そこへ「降りていく」ことでこそ開かれるものがある——奥能登への継続的な関わりは、その問いを制作と実践の両面から確かめる経験となりました。
佐直麻里子 / 白濱真理子 / 竹中美幸 / 南条嘉毅
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口座番号:普通 6067601
認証名:カ)ソラトツチ
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珠洲焼作品の販売
展示会での作品は購入いただくことが可能です。
また、OIL by 美術手帖にてオンライン販売も行なっております。
多彩な作風や個性をお楽しみいただければ嬉しいです。
