高屋永遠

 

TOWA TAKAYA

Biography

ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーティンズ、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ美術学科卒。現在東京を拠点に制作。
人間の視覚認識──色、光、奥行き、像の立ち上がり──のメカニズムを基点に、鑑賞者と作品のあいだに「一回性の現象」が生まれる体験を探求している。国内外の土・植物・化粧原料・金属などから独自に精製した色材や、展示空間の光環境を取り込むことで、鑑賞位置によって像が変位する新たな視覚経験を構築している。
2022年より資生堂との共同研究にて化粧原料の光学的性質を応用した絵画表現を研究し、横浜・S/PARKで成果展「揺動する絵画空間」を発表。2025年には学術誌に共著論文「絵画技法の画種横断的分類」を発表し、学際的研究を進めている。同年、日本の時計ブランド MINASE と協働し、光環境に応じて色彩が移ろう文字盤「悠彩」を発表。
2019年よりWHYNOT.TOKYOを主宰。コロナ禍では作家支援を行い、2023年以降は珠洲焼復興支援など社会的実践へと活動を拡張。制作現場の知見共有、領域横断の協働、地域文化との連携を通じて、創作が持続し生態系として循環する基盤を築いている。

Statement

私の絵画空間の位相への関心は、「存在とは何か」を問う形而上学的な探究と結びつきながら発展していきました。絵画空間の中では、何かが「存在する」とした時の個体性や形態が示されるのではなく、その物体または自然現象が感覚器官への作用によって心に生じさせた主観的な性質が多義的に現出していきます。知覚の痕跡を空間の位相として変換することが私の作り出す作品の経験です。
そうして創造された空間は、記号論的な観点においても、透視画法の視点からも、多元的であると言えます。そこには、過去、現在、そして未来といった区分は存在しません。顔料から作られた不定形の形態と色面とを融合させることで現象的な絵画空間を作り出します。

 

【学歴】
2015 ロンドン大学 ゴールドスミスカレッジ 芸術学士 修了
2012 ロンドン芸術大学 セントラル・セントマーティンズカレッジ ファンデーションディプロマ修了

【主な展覧会】

2025 真空の輪郭 / 鎌倉画廊(神奈川)
2025 re: materiality  / hakari contemporary (京都)
2025 流転と無限  / 日本国際芸術祭・大阪・関西万博展 (夢洲)
2025 ART FAIR TOKYO  / 東京国際フォーラム(東京)
2025   個展 「無限の形象」 / 銀座三越(東京)
2025   個展 「雨粒は花となり、宙に舞うまで」 /Lurf  Gallery (東京)
2024 第2回日本国際芸術祭 未来を創るU35展 / 御寺泉涌寺 舎利殿(京都・日本)
2024 Art Fair Beppu 2024 / 別府国際観光港(大分)
2024 Kiaf SEOUL / COEX(ソウル・韓国)
2024 SUMMER SHOW / Redcar Contemporary Art Gallery(レッドカー・英国)
2024 TOKYO gendai / パシフィコ横浜(神奈川)
2024 個展 It calls : shades of innocence / Lurf MUSEUM(東京)
2023 研究成果展 揺動する絵画空間 / 資生堂グローバルイノベーションセンター(神奈川)
2023 個展 JOY AFTER ALL - 花信風 / Lurf MUSEUM(東京)
2023 Chroma Distance / POLA MUSEUM ANNEX(東京)
2022 diverse paintings / 西武渋谷店 美術画廊(東京)
2022 ASYAAF Art Fair / Hongik museum of art (韓国、ソウル)
2019 ART FAIR TOKYO 2019 / 東京国際フォーラム(東京)
2016 ON the THERESHOLD II: Formal Presence / Oriental Museum(ダラム・英国)
2009 第83回国展 入選 国立新美術館 (東京)

個人、企業・大学コレクションに多数収蔵。

【受賞歴】
2017 ヤングクリエーターズアワード2017 入賞 MIギャラリー(大阪、日本)
2014 RAW TALENT 2014 Art EXHIBITION 入賞 Dalston Department Store(ロンドン、英国)
2009 第83回国展 入選 国立新美術館(東京、日本)

 

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