I'd Rather Be Your Travel

日時・場所

2月07日 13:00 – 2月16日 19:00

why not?, 日本、〒153-0053 東京都目黒区五本木2丁目13−2 1F

イベントについて

I'd Rather Be Your Travel 

- MOEMI TAKANO Solo Exhibition 

展覧会会期:2020年2月7日〜16日

営業時間:13:00-19:00 

休廊日:2月10日(月曜日)

レセプション:2月14日 19:00-21:00

「私たちはここに居ながらにして、言葉や色や形の力によってどこまでも遠くまで行くことができ、いつでも新しく何かを始めることができるのではないか」ー"I'd Rather Be Your Travel." Jun in 2019, Moemi Takano 

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この度 why not ? では、高野萌美の個展「I'd Rather be Your Travel 」を開催致します。

今回は、「旅」をテーマに高野の「Wall」シリーズを中心に、新作、旧作を合わせた回顧展形式で展示致します。

現在、横浜・関内を拠点に制作する高野は、イギリスで現代美術を学んだ後に国内外の様々な場所へ出かけてはスタジオに戻り、文字や言葉(Text)と布や糸(Textile)を用いた制作スタイルを確立してきました。

2018 年ペルーのクスコでの滞在制作で、高野は現地の伝統的な天然染色の技術と織物の歴史を学び、絵画制作の中で意識的に布や糸を扱うようになります。この経験が大きな転機となり、平面作品を「絵画」ではなくより物質・空間的な「壁のようなもの」と捉え今日のWall シリーズの制作が始まりました。

「おびただしい数のもの、広告、サービス、情報に囲まれた日本の都市に生まれ育った私は、一見何も足りないものはないと思われる環境にいながら、それでも常にどこか遠くの別の場所に憧れてきました。その憧れを構成しているものはなにか、それを探求したいのです。」と話す高野は、単に大量生産された麻のキャンバスを用いた絵画制作を受け入れるのではなく、支持体の意味の解体と再概念化へと彼女を向かわせます。

高野は、そのようにして制作された平面作品が「描かれた世界」を見せる役割を超えて、「別の場所」自体を空間に生じされることを望みます。

彼女は、スタジオに居ながらにして「どこか別の場所」に行きたいという自身の現実逃避のような心情と向き合いながら、解体と再構築の丁寧な繰り返しの中で、「どこかを示唆しているようでどこも示唆していない別の場所」のエッセンス を創り出していきます。

作品たちは、イメージであることを拒否し、「逃避」という言葉から連想される不安定さを跳ねのける存在感を放ち、「今ここ」をひとまず生きるための深いアクションのとして立ち現れるのです。

キャンバス上での絵画表現からミクストメディア、そしてテキスタイルへと変容していく高野の制作の軌跡、内在される逃避への渇望、多文化の多様な技法による前向きな予感をお楽しみ下さい。