高屋永遠 個展「柔らかな万象」
言葉にすれば、次の瞬間にすり抜けていってしまうほどの
この繊細な生の実感は掴めはしない
朧な象が時を超えて脳裏に留まる
私の心の中の現実は、
この世界の現実とどれくらい異なっているのだろう
そして、どちらがより真実に近いのだろう
─ 高屋永遠 ─
本展では、書き下ろしの新作を含めた絵画作品約15点を展示いたします。
作家は、これまでの「桜」(2020-)や「不可避の無垢」(2022-)といったシリーズにおいて、桜や水流といった具象的なモチーフを色彩に溶かし込むような手法で絵画制作を行ってきました。この2年間、具象的なモチーフを通して時間と空間の探究に取り組んできた作家は、今回ふたたび「存在」そのものの探究へと戻ります。
同じく存在を巡る探究を主題とする青の作品シリーズ「存在するとは別の仕方で」(2017-)では、無から有の曖昧な境界を描き出すのに対し、今回の作品では、ある事物をその発生や崩壊という時間的な極限の視点から見つめることで、その輪郭は綻び、存在が萌ゆる瞬間の胚のような「柔らかさ」が現れる──作家が抽出しようとしたのは、まさにそのような万象に備わった生の脆弱性なのです。
モチーフのもたらす制約を一度取り外し、思弁の赴くままに筆を走らせた時、「存在」はどのような表情を見せるのか。事物の奥に垣間見えるという「繊細な生の実感」とはいかなるものなのか。その答えはまだ、作家自身にもおぼろげにしか見えていません。自己と存在をめぐる探究を続ける作家の現在地を、ぜひお確かめください。
作家は、これまでの「桜」(2020-)や「不可避の無垢」(2022-)といったシリーズにおいて、桜や水流といった具象的なモチーフを色彩に溶かし込むような手法で絵画制作を行ってきました。この2年間、具象的なモチーフを通して時間と空間の探究に取り組んできた作家は、今回ふたたび「存在」そのものの探究へと戻ります。
同じく存在を巡る探究を主題とする青の作品シリーズ「存在するとは別の仕方で」(2017-)では、無から有の曖昧な境界を描き出すのに対し、今回の作品では、ある事物をその発生や崩壊という時間的な極限の視点から見つめることで、その輪郭は綻び、存在が萌ゆる瞬間の胚のような「柔らかさ」が現れる──作家が抽出しようとしたのは、まさにそのような万象に備わった生の脆弱性なのです。
モチーフのもたらす制約を一度取り外し、思弁の赴くままに筆を走らせた時、「存在」はどのような表情を見せるのか。事物の奥に垣間見えるという「繊細な生の実感」とはいかなるものなのか。その答えはまだ、作家自身にもおぼろげにしか見えていません。自己と存在をめぐる探究を続ける作家の現在地を、ぜひお確かめください。
【展覧会概要】
会期:2022年9月9日 - 9月19日
会場:MONKEY GALLERY
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町12 - 8
営業時間:10:00-19:00
入場無料、不定休
協力:MONKEY GALLERY(https://monkeycafe.jp/)
運営:WHYNOT.TOKYO
お問い合わせ:info@whynot.tokyo
【在廊スケジュール】
<13:00 - 19:00>
9/9(金) 9/10(土) 9/11(日) 9/16(金) 9/17(土) 9/18(日) 9/19(月)
<一部展示作品>
高屋永遠(たかや・とわ)/ 画家
1992年東京都生まれ。
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ卒業。
2022年現在、東京を拠点に活動。
流麗な線と神秘的な色彩が特徴的な絵画は、空間、時間、存在についての領域横断的な考察に基づき制作される。
Instagram: @towatakaya
公式HP:https://towatakaya.com/